世界遺産ランキング

海上に立つ大鳥居
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厳島神社(いつくしまじんじゃ)

広島

海上に立つ大鳥居と本殿が美しい厳島神社は、自然景観と建造物が一体となっている神社です。弥山の緑と、朱色の建造物が映える素晴らしい景観を作り上げています。
瀬戸内海に浮かぶ厳島は宮島とも呼ばれていて、島全体が神の宿る島として古来から信仰されてきました。平家の守護神である宗像三女神が祀られています。
秋には見事な紅葉を楽しむことが出来ますよ。

「白鷺城」とも呼ばれています
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姫路城(ひめじじょう)

兵庫

白漆喰の外壁が魅せる優美な姿から「白鷺城」とも呼ばれている、現存する日本の木造城郭建築の最高傑作の城です。

城郭は、1333年に赤松則村が築いた砦であり、3層の天守閣は16世期末に羽柴秀吉が建設しました。1600年の関ヶ原の戦いの際に、城主となった池田輝政が大改修を行い、姫路城の象徴となる5層の大天守を築きました。池田輝政が建設した5層の大天守は当時のままの姿です。

姫路城が美しい状態で残り、多くの人に愛されている理由は、第二次世界大戦のような大きな戦災も免れ、1956年から8年もかけて「昭和の大修理」を行ったためです。また、2009年から6年かけて屋根瓦や漆喰壁の保存修理が行われ、美しい白を保っています。

静寂な空気に包まれています
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平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群(ひらいずみーぶっこくど(じょうど)をあらわすけんちく・ていえんおよびこうこがくてきいせきぐん)

岩手

平泉は『中尊寺』『毛越寺』『観自在王院跡』『無量光院跡』『金鶏山』の5つの資産からなる世界遺産です。

この地の豪族であった奥州藤原氏が浄土思想を広めようと代々受け継がれ、11世記後半から12世記後半の約100年間にわたり平泉独自のの文化が発展しました。
浄土思想に基づいて作られた建築・庭園や遺跡が良好に保存されていて、絢爛豪華な仏教史跡を観賞出来る貴重なスポットとして参観者が絶えません。

『中尊寺』には、金箔で施された高さ9メートルの阿弥陀如来像が金色堂に安置され、初代、二代目、三代目のご遺体と四代目の首級が納められています。
『毛越寺』は、12世記中頃に二代目が造営した寺院であり、大泉が池を中心とする美しい浄土庭園は必見です。
『観自在王院跡』は、二代目の妻が建設した阿弥陀堂でしたが、焼失してしまい現在は史跡公園として親しまれています。
『無量光院跡』は、三代目が宇治市の平等院鳳凰堂を模して阿弥陀堂を建設しました。現在建物は焼失していますが、礎石が残っています。
『金鶏山』は比高差60mの円錐形の山で、浄土庭園の中心的な役割を担っています。寺院を造営する際には金鶏山との位置関係が最も重要視された聖なる山です。

那智勝浦の那智の滝
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紀伊山地の霊場と参詣道(きいさんちのれいじょうとさんけいみち)

和歌山

和歌山県を中心に奈良県、三重県の3県にまたがり紀伊山地が点在しています。古くから神々が宿る場所として崇拝されてきた吉野・大峯、熊野三山、高野山の3つの霊場と、それを結ぶ参詣道が『紀伊山地の霊場と参詣道』として2004年世界遺産に登録されました。

これらの霊場と参詣道は、日本の古くから神々が崇拝されてた場に、大陸伝来の仏教が融合し、自然の中に潜む特殊な能力を得るための山岳修行の場となりました。

紀伊山地は遠い昔から聖地として崇められてきたため、各霊場の神社や寺院などの建造物と、周辺の小川や滝のような自然環境と一体化した景観となっています。そのような自然的な景観が多く残っているため、日本で初めての"文化的景観"が認められる遺跡となりました。

水面に映える平等院鳳凰堂
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古都京都の文化財(こときょうとのぶんかざい)

京都

平安時代から江戸時代まで、日本の首都として京都は栄えてきました。日本特有の伝統文化が今も多く息づき、各時代を象徴する建造物や文化財が多数残されています。京都市の14資産に加えて、宇治市2資産、滋賀県大津市の延暦寺を含む17資産が『古都京都の文化財』として、1994年に世界遺産に登録されました。
焼失した建造物が多いですが、その時代の権力者や有力な市民の手で再建・保存されてきました。創建当時に近い姿が残されていることから世界的に高い支持を得ていて、旅行者にも人気のスポットです。

全て手仕事で掘り進められました
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石見銀山遺跡とその文化的景観(いわみぎんざんいせき)

島根

16-17世紀初期にかけて当時の全世界の銀座3分の1を産出したと言われる銀山と、その周辺の景観が文化遺産として登録されました。
登録名称は『石見銀山遺跡とその文化的景観』です。現在公開されている「間歩」と呼ばれる坑道跡の一部が一般公開されているので、当時の採鉱の様子を体感してみましょう。また、石見銀山を訪れたら、江戸時代にタイムスリップしたような雰囲気が残る大森地区の町並みを散策したり、石見エリアにある歴史ある温泉津(ゆのつ)温泉でゆっくり源泉かけ流しの湯を楽しんだりと、

心地よい静寂に包まれる
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白神山地(しらかみさんち)

青森

青森県と秋田県にまたがる東アジア最大級のブナ原生林である『白神山地』は、ジブリ映画「もののけ姫」の舞台になったとも言われています。 白神山地は東京ドーム2万8千個の広さを誇り、中心地には約8,000年前に分布したとされるブナが原生な状態で残されています。また、ブナ以外にも固有種アオモリマンテマを含め約500種の植物が存在していて、多種多様な動植物が生息するなど貴重な生態系が保たれています。 昔から多くの人が訪れる『暗門の滝』は人気のスポットで、「第一の滝」「第二の滝」「第三の滝」へと至る滝は必見ですよ。

市杵島姫命を祀る辺津宮
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「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(「かみやどるしま」むなかた・おきのしまとかんれんいさんぐん)

福岡

福岡県宗像市と福津市にある「沖ノ島」と「宗像大社」、「古墳群」で構成される8資産から成り立っている世界遺産です。
登録名称は『「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群』です。
「沖ノ島」は九州本土から60km離れた場所に位置していて、4世紀から約500年間もの間、航海の安全を祈る場所として信仰されていました。そのため、交易の証拠や祭祀の跡が数多く残っています。現在は一般の入島は禁止されています。
「宗像大社」は宗像三女神に対する信仰が発展し、宗像・沖ノ島の信仰を形成しました。三社一体の信仰を作り上げています。
「古墳群」は、5-6世紀に宗像氏の存在を証明するものとして築き上げられた資産です。宗像氏はこの地で、朝鮮半島と交易の繁栄を成立させていました。祭祀遺跡や古墳群の立ち入りを、現在禁止しています。「沖ノ島」への立ち入りが禁止されているため、遠くから拝む遙拝のために大島の北側の海辺に「宗像大社沖津宮遙拝所」が設置されています。また、ここは出光興産の創業者、出光佐三氏が崇敬した神社としても有名です。

伝統的な合掌造の家屋
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白川郷・五箇山の合掌造り集落(しらかわごう・ごかやまのがっしょうづくりしゅうらく)

岐阜

岐阜県白川村荻町の白川郷と富山県の相倉と菅沼にある五箇山には、江戸末期から明治時代にかけて建てられた伝統的な合掌造りの家屋が多く残る集落があり世界遺産に登録されました。合掌造りの家屋は白川郷に59棟、菅沼に9棟、相倉に20棟現存しています。

合掌造りの家屋と言えば、大きな茅葺き屋根。積雪防止のため傾斜が45-60度あり、積雪の重さに耐えるため一切金属の釘は使っていません。 茅葺き屋根のメンテナンスは30-40年に一度取り替えをするそうです。 これらの合掌造り家屋には宿泊可能な場所もあるので、世界遺産に泊まるとう貴重な体験をすることも出来ますよ。

青い空とエメラルドグリーンの海
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小笠原諸島(おがさわらしょとう)

東京

小笠原諸島は日本で唯一の海洋島で、大陸と陸続きになったことがないことから独自の固有動植物が生息していて、絶滅危惧種も多数保有している貴重な場所でもあります。海洋島の多くは火山活動によって誕生した火山島ですが、『小笠原諸島』はプレートの沈み込みで誕生した「海洋性島弧」であります。世界遺産の登録範囲は、父島と母島の集落部を除く海域と兄島、西島、南島です。

父島・母島には船でしか行けず、週に1便ほどしかない定期船を利用しなければなりません。乗船時間は24時間かかりますが、苦労して行き着いた先には本土では味わえない美しい景観が広がっています。

未知×魅力の高い世界遺産

日本で最初の近代官営工場です

富岡製糸場と絹産業遺産群(とみおかせいじょうときぬさんぎょういさんぐん)

群馬

『富岡製糸場と絹産業遺産群』は明治初期の日本における技術革命や近代化のために設立した模範器械製糸場です。『富岡製糸場』と『田島弥平旧宅』、『高山社跡』、『荒船風穴』の4つの資産からなる世界遺産です。
明治時代、日本は外国と対等な立場になるために貿易を始めましたが、当時最大の輸出品は生糸でした。
そこで生糸の品質改善・生産力向上させるため、フランス人技師ポール・ブリュナの指導のもと、西洋式の繰糸器械を備えた模範工場として『富岡製糸場』を作ったのです。""富岡""の地が選ばれた理由は広い土地と豊かな水を誇り、養蚕が盛んだったためです。日本の伝統的な技術である木造の柱からなる骨組みに、西洋の木骨レンガ造を組み合わせた和洋折衷な建築となっています。

『田島弥平旧宅』は、明治初期による近代養蚕法である「清涼育」を確立させ、ヤグラ付きの二階建て近代養蚕農家建築の原点となった建物です。
『高山社跡』は、高山長五郎が温度や湿度を管理する養蚕法である「清温育」の研究と指導を行なっていた場所です。
『荒船風穴』では、国内最大規模の蚕種を貯蔵した施設です。天然の冷風を利用することによって、蚕の生産性が高まりました。
『富岡製糸場』を含め、4つの施設が養蚕技術を発展させました。日本は高質な生糸を生産できるようになり、20世記初期には世界一の生糸輸出国となった、その歴史を感じる事が出来ます。

日本を代表する世界遺産です

富士山(ふじさん)

静岡

日本一の霊峰「富士山」は噴火を繰り返す恐ろしくも、美しい山として古来より信仰の対象として知られてきました。
葛飾北斎の「富嶽三十六景」や歌川広重の「不二三十六景」は富士山をモチーフとしていますが、日本を象徴する絵画として海外でも人気があります。
世界遺産に登録された『富士山―信仰の対象と芸術の源泉』は、登山道や浅間神社、池や滝、遺跡跡の25資産から構成されています。
遠くから拝む「遙拝」の他、噴火活動が沈静化した時代からは登ることがお祈りとなる「登拝」が行われました。現代で人気の富士山の登山は、実はこの「登拝」でもありますので、登る事で何かご利益があるかも。

日本最大の陵墓 仁徳天皇陵

百舌鳥・古市古墳群(もず・ふるいちこふんぐん)

大阪

2019年7月に日本の第23件目となる世界遺産として『百舌鳥・古市古墳群』が登録されました。
4世紀後半から5世紀後半にかけて百舌鳥・古市古墳群が築造され、日本最大の規模を誇る前方後円墳も位置しています。大阪府の堺市、羽曳野市、藤井寺市にある45件49基の古墳群で構成されています。
巨大古墳の周辺には中小の古墳が配されていて、当時の政治的・社会的支配の構造を表現し、古墳時代の文化が評価されました。
「仁徳天皇陵古墳(百舌鳥)エリア」と「応神天皇陵古墳(古市)エリア」に分かれています。

聖徳太子のゆかりの地です

法隆寺地域の仏教建造物(ほうりゅうじちいきのぶっきょうけんぞうぶつ)

奈良

聖徳太子のゆかりの地であり、法隆寺と法起寺が世界遺産に登録されています。当時日本に仏教が伝わって間もなく、飛鳥時代の建築形式や独自で発展していった仏教文化が残っているため評価されました。

607年に聖徳太子と推古天皇が若草伽藍を起源とする法隆寺を建設しました。法隆寺内の金堂や五重塔は現存する世界最古の木造建築としても注目を集めています。そして、西院の入り口には、最古の力士像と知られている阿形と吽形の金剛力士像が置かれています。 706年に聖徳太子の遺言で建設された法起寺は、日本最古の三重塔が当時のままの姿で残されています。

世界遺産 原爆ドーム

原爆ドーム(げんばくどーむ)

広島

『原爆ドーム』は、世界で忘れてはいけない遺産である「負の遺産」として登録された、人類史上初の原子爆弾投下がもたらした跡です。
1915年にチェコの建築家ヤン・レツルの設計によってバロック様式とゼツェッション様式の混在したレンガ調のモダンな建築物でした。
しかし、1945年8月6日にアメリカ爆撃機が原子力爆弾を投下し、広島の街ごと飲み込みました。
その後『原爆ドーム』と名が変わり、核兵器廃絶と世界恒久平和を掲げ、平和のシンボルとして世界的なモニュメントとなりました。

東大寺の大仏様 廬舎那仏像が有名ですね

古都奈良の文化財(ことならのぶんかざい)

奈良

「古都奈良の文化財」は、東大寺、薬師寺、春日大社、平城宮跡、唐招提寺、元興寺、興福寺、春日山原始林、の8つの資産からなっており、1998年に世界遺産登録されました。 710年~794年まで奈良に都が置かれており、平城京はシルクロードの終着点でもあることから、中国地方、朝鮮半島との交流を通じて、日本文化の発展を遂げました。
当時の宮殿や役所などの木造建築が現在も良好に保存され、また周囲の社寺にも当時を偲ばせるものが多く残されていることから、ひときわ優れた日本建築と日本美術という形で今に伝えられた古都・奈良の文化遺産が、世界的に見ても高い文化的価値を有すると評価されました。8資産群のなかで、春日山原始林が春日大社と一体のものとして登録されたのは、日本で初めての例です。

首里城

琉球王国のグスク及び関連遺産群(りゅうきゅうおうこくのぐすくおよびかんれんいせきぐん)

沖縄

15-19世紀にかけて存在した琉球王国の文化を伝える遺跡群として沖縄県に点在しています。琉球王国は日本や明、東南アジアとの中継貿易で栄え、本州の文化とは異なる国際色が豊かな独自の文化が形成されました。

琉球では古来から「ニライカナイ」と呼ばれる神々が信仰され、それを基盤として、日本や中国の文化の影響を受けながら文化を形成しました。その中でグスク(城砦)は、宗教的な聖地として、文化が色濃く反映されています。300ものグスクが残されており、そのうち5つのグスク跡が世界遺産に登録されています。

上野公園の一画に佇む美術館です

国立西洋美術館(こくりつせいようびじゅつかん)

東京

スイス出身の建築家ル・コルビュジエが手掛けた7ヵ国に点在する17の建築作品が、近代建築の世界的な伝播を示している建築群です。
大陸を越えて点在する遺産を1つの世界遺産として登録されるトランス・コンチネンタル・サイトとして世界で初登録されました。
登録名称は『ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-』です。

近代建築の三大巨匠として数えられル・コルビュジエが手掛けた建造物は「国立西洋美術館」です。1959年に日本政府はル・コルビュジエに建築依頼をし、開館しました。"無限成長美術館"という概念が採用され、展示作品が増えて外側に展示室を追加できる構造となっています。

日本以外の他6ヵ国は、アルゼンチン・インド・スイス・ドイツ・フランス・ベルギーに彼の建造物が点在します。

長崎大浦の天主堂

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(ながさきとあまくさちほうのせんぷくきりしたんかんれんいさん)

長崎

長崎県と熊本県に点在する集落と城跡、聖堂で成り立つ12資産から構成された遺産です。

17世紀初期に江戸幕府がキリスト教を禁止してから、約250年間に及ぶ禁教期間に日本独自のキリスト教信仰の姿と伝統が伝えられています。この禁教期に密かに信仰を続けていた「潜伏キリシタン」がこの地に存在しました。

1549年にフランシスコ・ザビエルによって日本にキリスト教が伝わり、その後キリスト教信仰が禁止されました。キリシタン達が、密かに信仰を続けたところがこの地の歴史の始まりです。1865年に「大浦天主堂」にて隠れ潜伏キリシタン達が信仰を告白し、世界中が信徒発見に驚きを表しました。その後、彼らはカトリックに復帰する者、仏教を信仰する者、そのまま隠れキリシタンとして続ける者へ分かれていきました。