宮城と山形にまたがる蔵王連峰は、宮城県側を「宮城蔵王」、山形県側を「山形蔵王」と呼び、それぞれに美しいエメラルドグリーンをした火口湖「御釜」やウィンタースポーツを楽しめる数々のスキー場などのスポットもあり、1年を通してたくさんの観光客が訪れるマウンテンリゾートとして人気です。
今回はそんな魅力の溢れる蔵王の中でも、世界的にも有名な樹氷が見られる冬時期の山形蔵王に注目!日帰りでも満喫できるモデルコースをご紹介します。スノーモンスターとも呼ばれる幻想的な迫力をもつ樹氷は、山形を代表する冬の風物詩でもあり象徴でもあります。ぜひ訪れたいですね!
また麓にある蔵王温泉もご紹介。火山群である蔵王一帯には多くの温泉群が点在しており、温泉ラバーにも人気の観光地です。樹氷観光で冷えた身体を温泉でしっかりと温めてから帰りましょう!
新型コロナウイルス対策
新型コロナウイルスの影響で日々状況が変化していますので、最新情報については各施設のHPをご確認ください。 また、外出自粛要請の出ている地域において、不要不急の外出はお控えください。 感染症の予防および拡散防止のために、咳エチケット・手洗い・アルコール消毒・マスク着用などを心がけるようお願いいたします。
蔵王ロープウェイに乗って世界レベルの樹氷を見に行こう
山形蔵王の冬を象徴する樹氷とは、アオモリトドマツという針葉樹が雪と氷に覆われ、大きな塊となったものです。大きくなるためには、「雪」「風」「氷」「気温」などの複数の条件がさまざまな基準を満たしている必要があるため、美しい形を保った蔵王の樹氷は世界的にも稀少なものです。
まずスタート地である蔵王温泉駅までのアクセスには、山形駅や仙台駅からのバスを利用します。冬季のみ運行する仙台駅からの直通バスは本数が少ないので、1時間に1本ほど出ている山形駅からのバスが便利です。関東から向かう時には東北新幹線で山形駅を目指すのが良いでしょう。仙台空港からの直通バスも冬季限定で走りますので、遠方から飛行機で来た方も安心ですね!
蔵王温泉駅から樹氷原行きのロープウェイまでは徒歩15分程度です。街並みを楽しみながら歩いて向かいましょう!ちょっと遠いなという方は、駅横に停留しているタクシーを利用できますよ!
温泉街情緒のある乗り場までの道のりを楽しむ
蔵王温泉駅に到着したら、駅においてある観光マップをもらって散策スタートです!温泉宿の送迎の方々の間をすり抜けて、さっそく蔵王ロープウェイの乗り場へ。
ロープウェイ乗り場までは一本道ですので、迷わず向かえます。道中には温泉宿や飲食店もあり、さっそく温泉街情緒を楽しめますよ!日帰り温泉やお土産屋さんは帰路でお世話になるので、場所を把握しておきましょう。
10分弱進んだところで蔵王中央ロープウェイの乗り場が見えてきますが、目的は奥にある蔵王ロープウェイ。あちこちに見える白いもくもくとした温泉の湯気を眺めながら、あと5分くらい先に進みます。
蔵王ロープウェイの窓からどんどん変わる風景を
蔵王ロープウェイは3つの乗り場をつないでおり、蔵王温泉スキー場の利用者と共用です。麓にある蔵王山麓駅が標高855メートル、真ん中の樹氷高原駅が標高1,331メートル、一番高いところにある地蔵山頂駅1,661メートルと、実に800メートルくらい高さを移動することになります。
麓も十分寒いですが、山頂の寒さや風の強さはその比ではありません。手袋や帽子、靴に徹底的に配慮して防寒しておきましょう!
樹氷高原駅あたりから撮影した窓からの景色。蔵王山麓駅あたりで撮ったものと比較すると、明らかな白の世界です。どこまでも続く白銀の雪景色をゆったりと堪能しましょう!樹氷高原駅から地蔵山頂駅までは約10分です。
到着後ロープウェイを降りたらまず驚くのはその寒さ!2月中旬のその日の気温はマイナス10度、スタッフの方いわく「いつも通り」とのことでした!風速も平均10~15メートルとなかなかに強烈です。寒さに慣れない方には思い出に残る極寒体験となるでしょう。
山頂レストランもありますので、こちらで暖を取りながらの観光が吉です。
本日の大本命!迫力満点のスノーモンスター「樹氷」とご対面
地蔵山頂駅を出たらすぐそこ!大迫力の樹氷が立ち並んでいます。自然による奇跡の産物である樹氷にはひとつとして同じかたちのものはなく、個性的なものばかり!視界いっぱいに広がる光景は、幻想的で神秘的でもあります。
晴れた日の日中には自然光で照らされてキラキラとした樹氷が楽しめることもあり、樹氷原にはたくさんの観光客が集まりますよ。レストランや展望台など、樹氷を楽しめるスポットは複数ありますので、さまざまな角度から世にも不思議な自然の産物を堪能しましょう!
地蔵山頂駅から100メートル登ったところに鎮座する蔵王地蔵尊も見逃せません!40年近い年月をかけて1775年に完成しました。造立後に遭難者が減ったことから「災難よけ地蔵」とも呼ばれ、今なお大切に守られ続けています。
そんな蔵王地蔵尊は高さ2.34メートルもあるのですが、写真の通り冬時期になると胸のあたりまで雪に埋もれてしまい、同じ目線での参拝が可能になります。こちらも何とも貴重な経験ですので、雪にも風にも負けずぜひ参拝しましょう!
幻想的な樹氷ライトアップの美しさを堪能する
また樹氷の特別な楽しみ方として12月末~2月末の主に週末だけ、ライトアップが行われます。カクテル光線を受けて色彩豊かに輝く樹氷群はとても幻想的で、日中とは全く異なった雰囲気に。光と影と造形美が織りなすここだけの景観をお楽しみいただけますよ。ナイトクルーザーで樹氷の近くまで行ける「樹氷幻想回廊ツアー」もあります!
蔵王ロープウェイの基本情報
- 施設名
- 蔵王ロープウェイ
- 営業時間
- 山麓線 8:30~17:00 山頂線 8:45~16:45 (天候や利用人数の状況によって変動有り)
- 入館料
- 地蔵山頂駅(山頂線) 大人 片道1,500円 往復3,000円 小人 片道800円 往復1,500円 樹氷高原駅(山麓線) 大人 片道800円 往復1,500円 小人 片道400円 往復800円 ※大人:中学生以上 小人:小学生
- 定休日
- 明記なし
- 住所
- 山形県山形市蔵王温泉229-3山形市蔵王温泉229-3 山形市蔵王温泉229-3山形市蔵王温泉2
- 電話番号
- 023-694-9518
- 公式サイト
- http://zaoropeway.co.jp
東北随一の泉質を持つ「蔵王温泉」で冷えたからだを温める
蔵王温泉は奥州三高湯のひとつでもあり、多くの観光客が訪れる山形きっての人気温泉地です。
開湯は西暦110年という日本屈指の古湯!長い間近くの集落の湯治場として愛されてきましたが、江戸時代に蔵王権現への登山口として利用されるようになりました。
それにともなって宿を有したリゾート地として本格的に開いていくこととなります。徐々に開拓がすすむ中でも、その長い歴史の趣は守られ続け、日本的な情緒のある東北最大級のマウンテンリゾートとして山形県を代表する観光地となりました。
そんな蔵王温泉の泉質は、東北随一の強酸性の硫黄泉。肌と血管を若返らせる作用があり、「美人作りの湯」としても有名です。蔵王温泉街には3つの共同浴場と3つの足湯、さらに5つの日帰り温泉施設があり、宿泊でなくても個性豊かな温泉を楽しめることも特長。樹氷観光で冷えた身体は十分に温めてから帰路に向かいましょう!
個性溢れる3つの共同浴場「上湯」「下湯」「川原湯」
木造建築でいかにも共同浴場といった雰囲気が漂う無人風呂。200円を入口の料金箱へいれて入湯します。「時間の制約で1つしか入れない!」という方には、川原湯共同浴場がおすすめです。
簀の子の上に浴槽が設置された足下湧出湯のため、この上なく新鮮な温泉を楽しむことができます!10分も浸かればからだの芯までポカポカになる高温湯です。
共同浴場 上湯・下湯・川原湯の基本情報
- 施設名
- 上湯共同浴場 下湯共同浴場 川原湯共同浴場
- 営業時間
- 6:00~22:00
- 入館料
- 大人200円 小人100円
- 定休日
- なし
- 住所
- 山形県山形市蔵王温泉
- 電話番号
- 023-694-9328
- 公式サイト
- http://zao-spa.or.jp/sp/about/
休憩も食事も楽しめる!万能日帰り温泉施設「湯の花茶屋 新左衛門の湯」
自分へのご褒美になるようなちょっといい日帰りの温泉がコンセプトのこちらは、お湯処にお食事処、さらにはお土産処や休憩処としても利用できる万能な施設!
浴槽も種類豊富で源泉をそのまま湯船に入れた露天風呂のほか、肌が弱い方のための四・六の湯や内の湯もあります。事前の予約があれば貸切利用も可能ですよ。
湯の花茶屋 新左衛門の湯の基本情報
- 施設名
- 湯の花茶屋 新左衛門の湯
- 営業時間
- 10:00~18:00(最終受付17:30)
- 入館料
- 大人800円、小人400円、3才以上の幼児200円
- 定休日
- 毎週水曜日
- 住所
- 山形県山形市蔵王温泉川前905
- 電話番号
- 023-693-1212
- 公式サイト
- https://zaospa.co.jp
山形蔵王に行くなら樹氷も温泉も楽しめる冬がおすすめ!
今回は山形蔵王の冬の象徴「樹氷」と蔵王温泉を楽しめるモデルコースをご紹介してきました。1年を通して見応えのある蔵王ですが、冬にしか楽しめない幻想的な樹氷や冬だからこそ気持ち良い温泉のタッグは、まさに最高です!
しっかりと防寒をして、ぜひ冬の蔵王を満喫してください!