北海道に次ぐ広さを持ち、自然が織りなす風光明媚な絶景や民話が数多く残る岩手県。古くは奥州藤原氏が理想郷を作ろうと夢を見て、童話作家宮沢賢治も心の中の理想郷として「イーハトーブ」と名付けた土地でもあります。
また色んな文化の混ざり合いから生まれた建築物やご当地グルメが豊富で、歴史や文化、グルメまで楽しみ方の幅が広いことも岩手の魅力です。
今回はそんな魅力に溢れる岩手県を漫喫するため、ドライブで巡る1泊2日モデルコースをご紹介していきます!
新型コロナウイルス対策
新型コロナウイルスの影響で日々状況が変化していますので、最新情報については各施設のHPをご確認ください。 また、外出自粛要請の出ている地域において、不要不急の外出はお控えください。 感染症の予防および拡散防止のために、咳エチケット・手洗い・アルコール消毒・マスク着用などを心がけるようお願いいたします。
岩手はどんな場所?
岩手県は日本国土の4%を占める広大な土地を持ち、南部富士岩手山を中心に広がる山々とリアス式海岸による景勝地に恵まれた自然豊かなスポットです。
自然以外にも世界文化遺産に登録された「平泉の文化遺産」や盛山城跡など、歴史の流れが垣間見れる史跡が点在しています。
また岩手県には旅の疲れを癒してくれる温泉地が豊富にあり、昔の文化人たちも愛した憩いの地は旅情をより掻き立ててくれます。
岩手には鉄道やバスなどの公共交通機関があるものの、その広大さから効率的に観光するには自由に動ける車がおすすめですよ。
【1日目】世界遺産平泉で悠久の歴史と自然を感じる
浄土庭園に心洗われる 越毛寺
2011年に世界文化遺産に登録された平泉の中でも、特別史跡・特別名勝と二重の文化価値として国から指定されている「越毛寺」。850年に慈覚大師円仁が開山し、12世紀末頃に奥州藤原氏二代基衡によって造営されました。
越毛寺最大の見どころは、平安時代に藤原氏が目指す浄土世界を表現した「浄土庭園」。
大泉が池を中心として、周囲の山々や自然を借景として取り入れられた庭園は、平安時代当時の優雅な世界観を感じさせてくれます。
本堂では座禅や写経体験もできるため、時代を越えた空間で心を洗ってみてはいかがでしょうか。
越毛寺 詳細情報
- 施設名
- 越毛寺
- 拝観時間
- 8:30~17:00(11月5日~3月4日は8:30~16:30)
- 入場料
- 大人700円、高校生400円、小中学生200円
- 定休日
- 無休
- 住所
- 岩手県西磐井郡平泉町平泉字大沢58
- 電話番号
- 0191-46-2331
- 公式サイト
- https://www.motsuji.or.jp/index.html
豪華絢爛と無常を味わう 世界遺産中尊寺
数ある平泉の文化遺産の中でも、シンボル的な存在となるのが中尊寺です。奥州藤原氏の初代である清衡が造営し、金や名馬の産地として栄えた平泉は源氏に滅ぼされるまでの約100年間その栄華を誇りました。
数々の伽藍の中でもその栄華を象徴するのは、中尊寺創建当初の姿を今に伝え、国宝建造第一号でもある「中尊寺金色堂」です。
お堂の内外には金箔が押され、目の前に広がる黄金の装飾と平安時代の工芸技術の荘厳さに目を奪われます。
約1,000年前に繁栄した当時の面影を想像し、時代の流れを感じる無常を味わってみてはいかがでしょうか。
中尊寺 詳細情報
- 施設名
- 中尊寺
- 拝観時間
- 8:30~17:00(3月1日~11月3日)、8:30~16:30(11月4日~2月末)
- 入場料
- 大人800円、高校生500円、中学生300円、小学生200円
- 定休日
- 無休
- 住所
- 岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202
- 電話番号
- 0191-46-2211
- 公式サイト
- https://www.chusonji.or.jp/
古民家にジャズが流れる大人の蕎麦屋 地水庵
中尊寺の少し手間にある「地水庵」は、10歳未満の入店はお断りという大人のための蕎麦屋さんです。建物は古民家風で、店内にはジャズが流れるという蕎麦屋さんには珍しいおしゃれな雰囲気。
超粗挽きのそば粉を使った「古典そば」はもちもちとした食感が特徴です。つゆと山椒と一緒に食べると香りが引き立ち、岩塩をかければ甘さが増しますよ。
おしゃれで落ち着いた空間で、ゆっくりと食事を楽しみたい人におすすめな名店です。
地水庵 詳細情報
- 施設名
- 地水庵
- 営業時間
- 11:30~16:00(売り切りで終了)
- 入場料
- 大人800円、高校生500円、中学生300円、小学生200円
- 定休日
- 火曜日、水曜日
- 住所
- 岩手県西磐井郡平泉字衣関1-3
- 電話番号
- 0191-46-5484
平泉に散った義経最期の地 高館義経堂
中尊寺の東方にある丘、「高館」は平泉随一の眺望所であり、源義経最期の地。兄である頼朝の圧迫に耐えかねた藤原泰衡の急襲を受け、1189年この地で妻子とともに自害したと言われています。
丘の頂上には義経を偲んで建てられた義経堂があり、そこからは弁慶が義経を守るため身を呈した「弁慶の立往生」で有名な衣川や北上川が望めます。
また俳人松尾芭蕉が「夏草や兵どもが夢の跡」と有名な俳句を詠んだ場所でもあり、色んな歴史上の人物の関わりを感じられる場所ですよ。
高館義経堂 詳細情報
- 施設名
- 高館義経堂
- 営業時間
- 8:30~16:30(11月5日~3月4日は8:30~16:00)
- 入場料
- 大人300円、小中学生100円
- 定休日
- 無休
- 住所
- 岩手県西磐井郡平泉町平泉字柳御所14
- 電話番号
- 0191-46-3300
- 公式サイト
- https://www.motsuji.or.jp/gikeido/index.html
文豪も愛した東北屈指の温泉地 花巻温泉郷
東北屈指の温泉地である花巻温泉郷は12の温泉地が集まり、泉質も雰囲気も異なる温泉が楽しめる温泉リゾートです。どこか懐かしい雰囲気で落ち着く温泉から、秘境ムードが味わえる温泉まで個性豊かな温泉が揃っています。
そんな花巻温泉郷は多くの文化人に愛され、童話作家・宮沢賢治の作品にも登場する「台温泉」、芸術家の高村光太郎もよく訪れた「大沢温泉」など名湯が目白押しです。
周辺には中尊寺や厳美渓といった観光スポットも近いため、岩手観光の休息地としておすすめな温泉郷ですよ。
花巻温泉郷 詳細情報
- 施設名
- 花巻温泉郷
- 宿泊予算
- 施設によって異なる
- 住所
- 岩手県花巻市
- 電話番号
- 0198-37-2111
- 公式サイト
- https://www.hanamakionsen.co.jp/
【2日目】明治期の歴史と文化が息づく盛岡を歩き、ご当地グルメを堪能
今も残る石垣に想いを馳せる 盛岡城跡公園
江戸時代に南部藩主の居城として建築された盛岡城、別名不来方(こずかた)城跡を今に残す「盛岡城跡公園」。
1874年には城のほとんどが壊されてしまいますが、石垣は今もなお当時の綺麗な状態で残っており、江戸から現代の歴史を感じられるスポットです。
「日本の歴史公園100選」として選ばれており、春には桜、5月には藤棚、7月にはアジサイ、秋には紅葉やイチョウが咲き誇る姿を見るため、一年を通して多くの人が訪れています。
石川啄木が詠んだ歌碑や宮沢賢治の詩碑など、この地にゆかりのある人の文学碑が設置されており、歴史好きにはたまらない公園です。
盛岡城跡公園 詳細情報
- 施設名
- 盛岡城跡公園
- 営業時間
- 公園内自由
- 入場料
- 無料
- 定休日
- なし
- 住所
- 岩手県盛岡市内丸1-37
- 電話番号
- 019-604-3305
- 公式サイト
- http://www.city.morioka.iwate.jp/shisei/midori/koen/1010491.html/
明治期のルネッサンス風建築 岩手銀行赤レンガ館
盛岡観光のシンボルでもある岩手銀行赤レンガ館。東京駅を設計した辰野金吾氏によるもので、同氏が設計した東北地方に唯一残る作品です。
赤煉瓦造りに緑のドームのルネッサンス風の外観はおしゃれな佇まいで、街の一角だけ時代も世界観も変わります。
1911年から銀行として使用されてきましたが、2012年に銀行としての役割を終え、2016年から観光スポットとして再オープン。
内観は高い吹き抜けと華麗な装飾が施され、洋風銀行建築の設計や開業当時から使用されている金庫室など、貴重な遺構が見れますよ。
岩手銀行赤レンガ館 詳細情報
- 施設名
- 岩手銀行赤レンガ館
- 営業時間
- 10:00~17:00(入館は16:30まで)
- 入場料
- 16歳以上300円、小中学生100円、未就学児童無料
- 定休日
- 毎週火曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
- 住所
- 岩手県盛岡市中ノ橋通1-2-20
- 電話番号
- 019-622-1236
- 公式サイト
- https://www.iwagin-akarengakan.jp/
盛岡三大麺でお腹を満たす(わんこそば・冷麺・じゃじゃ麺)
盛岡グルメと言えば「わんこそば」を想像する人が多いかもしれませんが、他にも「盛岡三大麺」と言われるほど地元民が愛する麺グルメがあります。
それは「盛岡わんこそば」「盛岡冷麺」「盛岡じゃじゃ麺」の3つ。
街中には多くのお店が点在していて、それぞれお店の個性があるのでぜひ食べ歩きしてみてください!
「盛岡わんこそば」は宴の席で大勢のお客様をもてなすために考えられた伝統食。一口大に小分けしたお蕎麦を、色々な薬味と一緒に味わいます。「ほら、じゃんじゃん!」という給仕との掛け合いを楽しみながら味わってみてください。
「盛岡冷麺」は小麦粉と馬鈴薯でん粉による強いコシの麺が、独特な食感を生み出します。牛骨をベースとした酸味のあるスープとの相性がよく、キムチを追加して辛さを調節。
ゆで卵やきゅうり、季節の果物が盛りつけられるため、店舗ごとのオリジナルな味わいを楽しみましょう。
「盛岡じゃじゃ麺」はもともと炒めみそうどんという意味で、平たい太麺と特製の肉味噌、きゅうり、ネギなどをよく混ぜ合わせて食べます。
好みで酢・ラー油・にんにくを入れて、自分好みの味付けにするのが通な食べ方。麺と具材は最後まで食べきらず、「ちーたんたん」と注文すると、おいしい卵スープを味わうことができますよ。
盛岡三大麺 詳細情報
- 店名
- 店舗により異なる
- 営業時間
- 店舗により異なる
- 定休日
- 店舗により異なる
- 電話番号
- 019-622-2252(盛岡三大麺普及協議会)
- 公式サイト
- http://moriokasandaimen.com/
宮沢賢治の世界観でコーヒータイム 可否館
宮沢賢治の代表作「注文の多い料理店」を世に送り出した、光原社の敷地内に喫茶「可否館」はあります。
店内はステンドグラスや雰囲気のある民芸品に彩られ、全国から訪れるお客さんがゆっくりと世界観に浸りながら珈琲が楽しめる空間です。
珈琲も一つ一つの豆を厳選してから焙煎するというこだわりで、振り子時計が刻む音を聞きながら飲む一杯は格別ですよ。
可否館 詳細情報
- 店名
- 可否館
- 営業時間
- 10:00~18:00
- 定休日
- 毎月15日(15日が土日祭日の場合翌日に振替)
- 住所
- 岩手県盛岡市材木町2-18
- 電話番号
- 019-622-2894
- 公式サイト
- http://morioka-kogensya.sakura.ne.jp/index.htm
岩手観光はモデルコースを活用して効率的に楽しもう!
岩手は県内に北から南まで魅力的な観光スポットが点在しているため、1泊2日で充実した旅にするには効率的に周ることが大切です。
歴史・文化・グルメ・自然と様々な楽しみ方があり、今回ご紹介したスポット以外にも魅力的なスポットが満載ですが、今回のモデルコースを自分好みの観光の参考にしてみてくださいね!